ラーメン屋炎上騒動記:SUSURU、虫、そして謝罪のチャーシュー丼!
Comedy
all age range
2000 to 5000 words
Japanese
店名は濃厚とんこつ豚無双。看板には自信満々に『究極の豚骨、ここに極まる!』と書かれている。
しかし、店内はどこか活気がなく、古びたポスターが貼られているだけだった。
そこに現れたのは、人気ラーメン系動画投稿者、SUSURU…ではなく、そのフォロワー、自称“SUSURU二世”の田中だ。
田中は動画撮影の準備をしながら、大声で言った。「さあ、今日も伝説を作るぞ!」。
田中は席に着くなり、テーブルの上のコップに水垢が付いているのを発見し、まるでコントのように大げさに騒ぎ始めた。
「こ、これは一体…! 客をなんだと思っているんだ!」田中のあまりの剣幕に、厨房から店主が慌てて出てきた。
店主は明らかに狼狽しており、「申し訳ございません! すぐに新しいものをお持ちします!」と平謝りだ。
田中はニヤリと笑い、「まあいいでしょう。しかし、ただでは済みませんよ。私の動画の影響力、舐めてもらっては困りますからね。下手をすれば、この店潰す事だってできるんだぞ!」と凄んだ。
店主は困り果て、誠意のつもりか、「サービスでチャーシューを増量させていただきます!」と言った。
田中はさらに調子に乗り、「こちらが濃厚とんこつ豚無双さんの濃厚無双ラーメン 海苔トッピングですうっひょ~~~~~~! まずはチャーシュー増量のお礼を言っておきましょう!」とカメラに向かって得意げに語った。
いよいよラーメンが運ばれてきた。田中はカメラを構え、麺をリフトアップし、湯気を立てながら叫んだ。「いただきま~~~~す!」。
「コラ~! これはどういうことだ! スープの中に…スープの中に…虫が!」
田中は興奮のあまり、周りが見えなくなっていた。これでもかって位ドロドロの濃厚スープの中には虫が入っており 、怒りのあまり卓上調味料を全部倒してしまいました~!
店内は騒然となり、他の客たちは一斉に田中に注目した。
再び店主が駆け寄ってきて、「本当に申し訳ございません! これは…!」と必死に弁解しようとした。
しかし、田中は聞く耳を持たず、「もういい! こんな店、二度と来ない! …しかし、ここはチャンスだ」と心の中でほくそ笑む。
すっかり店側も立場を弁え たのか、今度は誠意のチャーシュー丼を貰った 。しかし、田中はまだ不満だった。
「ラーメンだけでなく、お次に圧倒的存在感の極太麺を啜る~! …ズルズルズル… これは…」
田中の顔が再び歪んだ。「殺すぞ~!麺の中に、髪の毛が!」
ワシワシとした食感の麺の中には、髪の毛が入っておりさすがのSUSURUも 厨房に入って行ってしまいました~!
田中はついに我慢できず、厨房に突撃。店主と激しい口論になった。
「一体どうなっているんだ! 品質管理はどうなっているんだ!」田中はまくしたてた。
店主は平謝りするばかりだったが、田中の勢いは止まらない。
騒ぎを聞きつけた近所の住人が集まり始め、事態はさらに悪化した。
その様子をこっそりスマートフォンで撮影している人たちもいた。
騒ぎはついに警察沙汰になり、田中は事情聴取を受けることになった。
最終的に、田中は威力業務妨害で起訴…されることはなく、注意だけで済んだ。
店主も田中に対して謝罪を要求…することなく、保健所に衛生状態の改善を指導された。
事件後、濃厚とんこつ豚無双は一時休業を余儀なくされたが、衛生管理を徹底し、見事に復活を果たした。
…もちろん、SNSでの炎上は避けられなかったが、それを逆手に取り、「炎上からの奇跡の復活!」というキャッチフレーズで集客に成功した。
一方、田中は炎上系動画投稿者として多少有名になったが、すぐに飽きられ、ひっそりと姿を消した。ちなみに、店主さんが土下座している様子はぜひサブチャンネルをご覧ください
しかし、時折、濃厚とんこつ豚無双の店先に現れては、「あの時はすいませんでした…」と謝罪している姿が目撃されているという。
そして彼はついに、真面目にラーメンのレビューをする動画投稿者として再出発した…かどうかは定かではない。
教訓:ラーメン屋では、落ち着いてラーメンをすすりましょう。そして、水垢や虫を見つけても、まずは冷静に店員さんに伝えましょう。SNSで騒ぎ立てるのは、その後でも遅くありません。