ともえとゆみ:江戸時代の恋文

Drama all age range 500 to 1000 words Japanese

Story Content

時は[江戸時代]。夕焼け空が隅田川を茜色に染め、屋形船が行き交う賑やかな頃。
川沿いの見世物小屋では、連日[元気な踊り子]、[ともえ]の舞台が繰り広げられていた。
[ともえ]の踊りは、観客を魅了する華やかさの中に、どこか寂しげな影を宿していた。
そんな[ともえ]の舞台を、いつも静かに見守る少女がいた。名は[ゆみ]。
[ゆみ]は、[ともえ]の踊りの[ファン]であり、ひっそりと彼女を想っていた。
[ゆみ]は[おとなしい]性格で、なかなか[ともえ]に話しかけることができなかったが、勇気を振り絞って、[ともえ]に手作りの花飾りを渡した。
[ともえ]は[ゆみ]の優しさに気づき、花飾りを受け取って、笑顔を見せた。
「ありがとう、[ゆみ]ちゃん。きれいだね」
その日を境に、[ともえ]と[ゆみ]は言葉を交わすようになった。
[ともえ]は[ゆみ]の素直で優しい心に惹かれ、[ゆみ]もまた、[ともえ]の舞台で見せる姿とは違う、繊細で傷つきやすい一面を知っていった。
二人は互いを[友]と呼び、心を通わせるようになった。
月日が流れ、二人の間には、友情を超えた、特別な感情が芽生え始めていた。
しかし、[江戸時代]という時代は、二人の恋を容易には許さなかった。
周囲の目は厳しく、世間の風当たりは強かった。
[ともえ]は、自分が踊り子という身であることも気にしていた。
ある日、[ゆみ]は[ともえ]に、自分の正直な気持ちを打ち明けた。
「[ともえ]さんのことが、好きです。舞台で輝く[ともえ]さんも、一人で寂しそうな[ともえ]さんも、全部。」
[ともえ]は涙を浮かべながら、[ゆみ]の告白を受け入れた。
二人はお互いを必要としていることを理解し、世間の目を気にせず、共に生きることを決意した。
しばらくして、[ゆみ]は身ごもった。
最初は不安もあったが、[ともえ]は[ゆみ]を支え、出産に立ち会った。
そして、[ゆみ]は元気な女の子を[産]んだ。
二人はその子を「ひかり」と名付け、愛情を込めて[育て]ていった。
[ともえ]は踊りを続けながら、[ゆみ]とひかりと共に、慎ましくも温かい生活を送った。
ひかりは[ともえ]の踊りを喜び、[ゆみ]の優しさに包まれて育った。
3人は支えあい、かけがえのない家族となった。
たとえ時代が変わろうとも、二人の愛と、[彼女]たちの絆は永遠に色褪せることはないだろう。