星屑の旋律

Drama 14 to 20 years old 2000 to 5000 words Japanese

Story Content

朝焼けが窓辺を染め、神経細胞を刺激するような光が優花の瞳に飛び込んできた。彼女は17歳、平凡な高校生のはずだった。だが、数週間前から毎晩、奇妙な夢を見るようになったのだ。
夢の中の彼女は、広大な宇宙空間を漂う光だった。無数の星々が彼女の周りを旋回し、遠くから懐かしい歌声が聞こえる。そして必ず最後に、ひび割れた鏡が映るのだ。鏡の中には、見覚えのない自分が悲しげな表情を浮かべている。
最初は気にも留めなかった。ただの疲れのせいだろうと思っていた。しかし、夢は日に日に鮮明になり、現実との境界線が曖昧になっていく。
「優花、遅刻するわよ!」母親の優しい声が、現実世界に引き戻した。
「分かってる」
朝食を済ませ、優花は急いで家を出た。通学路の並木道は、いつもと変わらず穏やかだった。しかし、彼女の心は嵐のようにざわついていた。
学校に着くと、親友の真琴が心配そうな顔で駆け寄ってきた。
「優花、最近元気ないみたいだけど、何かあったの?」
優花は、真琴に夢の話を打ち明けた。最初は信じてもらえなかったが、彼女の真剣な眼差しに、真琴も次第に深刻な顔つきになった。
「それって、もしかして… 転生とかに関係あるのかも」真琴は、SF小説が好きで、よくそういう話をする。
転生?」優花は聞き返した。「そんなの、あり得ないでしょ」
「あり得ないってことはないよ。世の中には、科学で説明できないことだってたくさんあるんだから。優花の場合は、夢の中で前世の記憶を見てるのかもしれない」
真琴の言葉は、優花の心に深く突き刺さった。彼女もまた、夢の中に何か特別な意味があるのではないかと感じ始めていた。
放課後、優花は図書館に向かった。真琴に言われた転生について調べたかったのだ。
数時間後、彼女は古ぼけた本を見つけた。表紙には『魂の記録』と書かれていた。
本を開くと、難解な文字がびっしりと並んでいた。優花は、なんとか解読しようと努力したが、ほとんど理解できなかった。
しかし、その中に、夢で見たひび割れた鏡の絵を見つけたのだ。
絵の下には、短い文章が添えられていた。『魂が欠けた時、過去の記憶が蘇る』
その瞬間、優花の脳裏に激痛が走った。そして、過去の記憶が洪水のように流れ込んできた。
彼女は、遥か昔、宇宙を旅する一族の末裔だった。その一族は、星々のエネルギーを操り、宇宙の平和を守っていた。
しかし、ある時、仲間の一人が裏切り、一族の宝である『魂の鏡』を破壊してしまったのだ。魂の鏡は、一族の精神的な拠り所であり、破壊されたことで、一族の魂は四散してしまった。
優花は、その時、最も純粋な魂を持っていたため、神経細胞のネットワークを通して地球に転生し、鏡の破片の一つを宿すことになった。
痛みが治まると、優花は全てを理解した。彼女は、ただの高校生ではなかった。宇宙を守る使命を帯びた魂の末裔だったのだ。
その日から、優花は過去の記憶を辿りながら、力を取り戻すための修行を始めた。真琴もまた、優花の秘密を知り、彼女を支えることを決意した。
二人は、古い神社の裏にある森で、瞑想をしたり、武術の練習をしたりした。優花は、少しずつ、眠っていた能力を呼び覚ましていった。
しかし、そんな彼女たちの前に、新たな敵が現れた。それは、かつて一族を裏切った者の末裔だった。彼は、転生を繰り返し、力を蓄えて、再び魂の鏡を手に入れようとしていたのだ。
敵は、優花たちの学校に転校生として潜入し、彼女たちを監視していた。彼は、優花の力を利用して、鏡の破片を奪おうとしていたのだ。
優花は、敵の正体に気づき、彼との戦いを決意した。彼女は、仲間のために、宇宙の平和のために、全てを賭ける覚悟をした。
最後の戦いが始まった。舞台は、優花が最初に夢を見た宇宙空間だった。彼女は、光の姿となり、敵と激しい戦いを繰り広げた。
敵は、強大な力を持っていたが、優花もまた、過去の記憶と修行によって力を取り戻し、互角に渡り合った。
戦いの最中、優花は敵の弱点を見抜いた。それは、過去の裏切りに対する罪悪感だった。
彼女は、敵に過去の罪を償うように説得した。敵は、最初は拒んだが、優花の真剣な眼差しに心を動かされ、ついに罪を認めた。
敵は、自らの命を絶ち、四散していた魂の鏡の破片を集めた。そして、優花に鏡を託した。
優花は、集められた破片を使って、魂の鏡を修復した。鏡は、再び輝きを取り戻し、宇宙に平和が訪れた。
優花は、地球に戻り、普通の高校生として生活を送ることにした。しかし、彼女の心には、宇宙を守った誇りが刻まれていた。
真琴との友情は、より一層深まり、二人は互いに支え合いながら、未来へと歩んでいく。
時折、優花は夜空を見上げ、宇宙に思いを馳せる。そして、いつかまた、宇宙を守る日が来ることを信じているのだ。